ご報告いくつか

事後報告になりますが、「空転劇場vol.11」にて目黒陽介くんとMCを担当いたしました。

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写真は公式より拝借。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

そして、告知コーナーでお伝えしましたが、空転劇場主催の小林智裕さん率いる「空転軌道」メンバーとして、来月ベルギーはイーペルで開催されるフェスティバルに出演いたします。思ってもみない流れで、いろいろと慌ただしくもありますが、楽しんでこようと思います。


またまた、今年もまちくるパフォーマーズ仙台のライセンス取得審査会が開催されます。5/27,28の二日間、シリウス前にて公開審査です。審査会は、多くの芸人のパフォーマンスをいいとこ取りで見られるまたとない機会でもあります。こちらはぜひお気軽にお越しくださいませ。

machi-kuru.com

 

 

 

 

w-aspara.com

 

続いてだしぬけに貼り付けたこちらは、空転劇場vol.11翌日に開催された関東ジャグリング交流会のゲストパフォーマーでもあった「ホワイトアスパラガス」のホームページ。昨年のEJCでのパフォーマンス映像が話題となったユニットですが、新作も興味深く、多くの人にリーチしながらジャンル表現の更新があり、注目せざるを得ない作品になっていました。特に、戦隊モノのパロディと思しきセリフをためらいがちにコールしながら二人が複雑、かつバカバカしく絡むパフォーマンスの新味には引っかかり続けるものがあります。いわばコントのような体裁にもなっているのですが、ジャグリングやアクロバットというジャンルに立脚しながら、このような表現がなされていることに、清々しい風通しの良さが感じられます。ふたりのやり取りは、意識的にもつれ、半端なまま進んでいくのですが、このどっちつかずの曖昧さに、ジャグリングやアクロバットというありかたを全く別の位置から見直す必要が生まれているかのようです。解答というより、新たな問として投げかけられるパフォーマンス。しかしその問いかけの振る舞いはあくまでも飄々としています。

そういえば、彼らを見たあと、劇団どくんごでのちゃあくんの番組を思い出しました。ふたりにもいつかどくんごを見てほしいなあ。

サンガツ

家にいながらの作業が多い日々ですが、思いがけず色々と動きがありまして、そちらは近々のお知らせになると思います。

また、日産プレジデント基金の事業も行っています。明日は今年度三ヶ所目。子供たちはもちろんのこと、職員の皆さんの熱心さで助けられています。まちくるパフォーマーズ仙台の活動も予定がありますので、決定次第追記します。


今年は例年にも増して音楽づいていて、今のところジャズの聴き直しにハマっています。といっても目についたものをとっかえひっかえなので、マイルス・デイヴィスを聴いたかと思えばシャイ・マエストロ・トリオに飛び、思いがけずポール・ブレイに出くわしたかと思えば、ギル・エヴァンスに舞い戻ってきたり。


陽が段々と長くなり、いよいよ冬も帰り足かと思わせて、気分も明るくなりますね。さて、他に何か書くことがあったかな、というところで思い出しました。

勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

 

 

待ちわびいていたと言っても言い過ぎではない、千葉雅也さんの「勉強本」。Twitterで執筆過程をつぶやかれていたのですが、その折々の問題提起が、わかる、わかる
とうなずき通しのことばかりで、広く学問以外の創作に携わるもの全てにとって大きく手助けとなる一冊になるだろうと期待しています。

ホゴノエキスポも終わって

前回からだいぶ間が空いてしまいました。しかし年を追うごとに冬が嫌いになっていきます。さっさと春になってほしいところですが、まだ先は長そうです。


さて、無事、100名超の来場者の皆様に恵まれつつ、今年のホゴノエキスポも終わりました。

大橋監督の元、半年に渡った集団制作も直前までてんやわんやといった進行にも関わらず、出演者の頑張りによって、ベストと言って差し支えないパフォーマンスができたように見えました。といいつつも、音響の操作もあり、しっかりは見られていないのでして、加えて自分のパフォーマンスでは感じたことのない妙な緊張が。これが親心というやつか、と今年三十路の身空を省みたり。

 

近日に毎年恒例のホゴノエキスポ動画をアップロードする予定です。
そして、今回のエキスポは、正確に言うとまだ続いていまして、これも近いうちにお知らせできればと思います。

  

 


Japan Juggling Festival 2003

 

ちょっと気まぐれに過去の映像を。当時16歳。

日本ジャグリング界最大のイベントであるJJFも、当時はまだまだこじんまりしたもので、技術力も今でこそ世界標準に届くパフォーマーが少なくありませんが、私のこれなどは、今の目で見るならば、どの大会の予選を通ることも厳しいでしょう。


とはいえ、子供なりに工夫がなかったわけではなく、構成も、単線的に道具の数が増えるのでなく、増減があり、また時代的に見ても、かなり意識的に抑えてシンプルなビジュアルの技を選んでいます。この前年も大会に出場していますが、こちらのほうが技数は多かったように思います。

そのようにした理由には、私が最も文学や映画にかぶれにかぶれていた頃の時分ゆえの美意識の発露があり、若年にありがちなメインストリーム(たかだか数百人のシーン)への反抗もありました。ですが、これを若気の至りと笑い飛ばしたい気持ちはさほどなく、むしろ今に至るまで続く問題意識はこの頃から変わらずにあるなあ、とすら思います。いや、でもそれは当然素朴に肯定するものでもなく、二転三転捻じれて足枷となっている部分もあり、ことに構成への意識は、自負するところであると同時に、違和感を与えるものでもあります。



今月ですが、寒いこの時期、オープンな場でのパフォーマンス予定がなかなかありません。
そんななか、明日2/11(土)はまちくるパフォーマーズ仙台で大道芸の予定です。11:00~17:00くらいまでの間、他のパフォーマーさんと順番に、ぶらんどーむ一番町にてパフォーマンスの予定です。ご都合がよい方はぜひ。

 

新年

遅ればせながらおめでとうございます。

正月は例年通り、地を這うミミズのようにのろのろと、あらゆる活動を停止せんばかりに何も考えずに過ごそうとしましたが、こんなときこそアイディアが動いたり、しかしそれは使い物にならなかったり、とまあ代わり映えなく非生産的な数日でした。

 

今年はどんな年にするのか、なるのか、下手な目標は立てないようにしたので、これもいつも通り、少しでも芸の向上があればと思います。

 

 

さて新年といえばホゴノエキスポです。
いつもであればここでゲストの公開となっていたのですが、すでにお知らせしたとおり、大橋昂汰さんと仙台のジャグラーたちで共同制作を行っております。

 


HOGONOEXPO 2017 Guest Stage Teaser

 

どんな形でエキスポを迎えるのか、今までとは全く違った展開なので、楽しみやら不安やらです。そういえば、昨年から進めていたこととはいえ、新年のチャレンジですね。



いやはや、しかしですね、今年はついに三十路を迎えてしまいます。世間的にまだまだ若いというのは承知の上でも、ずいぶん遠いところに連れて行かれたような気がします。

 

HOGONOEXPO 2017

1/21(土) エルパーク仙台 ギャラリーホール

スケジュール
11:30 開場
12:00 開会式
13:00 WS
16:30 世界ハイパフォーマンス王選手権
17:30 ゲストパフォーマンス

 


HOGONOEXPO 2017 Coming Soon

大晦日に

もさもさとしていたら、あっという間に今年も終わりです。
まず、関係各所、および観客の皆々様、至らぬ私へのご助力本当にありがとうございました。

今年は何といってもまちくるパフォーマーズ仙台の活動にはじまり、小林劇場および空転劇場へのMCとしての出演、そして今月の光のページェントでの大道芸と、これら以外にも、新たな場での活動がいくつもありました。

創作的にはあえてセーブして、慣れない大道芸を、体に少しでも染み込ませる時間と割り切って過ごしました。その甲斐あってか、少しずつでも慣れを感じる時もちらほら。私の仕事が始まるとしたら、ここからです。いつも以上に周りの方々から感想をいただくことに意義を感じています。


月次な文句ですが、来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いします。





さてここからは、毎年、一年を振り返ってなにが面白かったか、というのに時間を割くのが年末の楽しみでしたので、それをあれして書きます。




【映画】
『Playback』


映画『Playback』予告編

すっかり観る本数が減っているここ二年、何度も見てみたいと思わせる映画は少なかったのでしたが、三宅さんのこの『Playback』は、ようやく観られたという嬉しさも相まって、紛れもなくベスト1です。
制作当時、私とそう変わらない年齢の監督が、どうしてここまで役者の魅力を引き出せるのか、魔法のようだとしか言いようがないです。また、村上淳さんのスケボーの(音!)格好良さ! 近年、DVD化されることなく映画館上映によってのみ出会える作品が少なくありませんが、いつの日か手元にこの作品が置けることを切望します。新作はいつになるのかなあ。

 


【本】
『介護するからだ』『A子さんの恋人』『HHhH』『川の光 (シリーズ)』

本も、年末の休館間際の図書館に行かなかったことなどここ7,8年で初めてというくらい読まなかった体たらくです。映画や本を読まないのは、なにか重大なサボりで、恥のような感覚があります。いやはや。
そんな中でも、年始は例年通り小説を読む傾向があり、柴崎友香さんや多和田葉子さんに面白いものがたくさんありましたが、ことに松浦寿輝川の光』シリーズに熱中しました。チッチとタータのネズミの兄弟はもとより、松浦さんの愛犬がモデルのタミーのかわいさといったらないのでした。
『HHhH』はナチス・ドイツを扱った作品のひとつの新たな基準と名高いもので、具体的にこれを語る言葉を持ちませんが、やはり凄まじい作品で、まずは読めという類のものと思います。
『A子さんの恋人』は2,3巻が出まして幸福。今一番好きなマンガで、なにかシンパシーを感じさえします。
『介護するからだ』は細馬宏通さんの目とカメラによって、介護の現場にある「動き」が構造として引き出されます。ライヴパフォーマンスの場に身をおくものとして、これほど頼りになる本があるのかというほど、そして、今後こうした本がもっと出てきてほしいのだ、と願わずにはいられません。平倉圭さんのダンス論が待たれる。


【音楽】
これはApple Musicさまさまでたくさん聴けました。しかしアルバム単位で聴いたとなるとそれほどでもなく、曲単位で聴いていたのだなあと改めて。なので、ベスト・トラックと言うかたちで。

「Formation」


Beyoncé - Formation

南部大地とのユニットマヤマの稽古を著しく停滞させていたこの曲。この曲も、どう凄いのか説明できる語彙がなくもどかしいものの、いや、まあわかるだろという気持ちにも。ダウナーなのに高揚する。


ZUTTO



今年は、YENTOWNからこの三人が出した三枚のEPと共にあったというくらい聴いてました。しかし最後の最後に来たこれ、マジでヤベえっす。トラックのリズムと脱力したフロウ、ヤベえっす。

 

「LOVE」

もはやオールタイムベスト級に好きな『Chiryu-Yonkers』のC.O.S.A.がKID FRESINOと共作したこの作品。いやー、聴いた。直接アルバムとは関係ないけれど、FRESINOのインタビューも最高に素晴らしい。強いて言うなら今年のベストインタビュー。

 

「忘却 feat. KOHH」

これはPVがないので。宇多田とKOHHの組み合わせに驚いたのもつかの間、アルバムを通して最も気に入る曲になるほどの仕上がりに泣かされました。KOHHのリリシズムと宇多田の声が絶妙としか言いようのないマッチングでした。

 

「二人セゾン」



完全に欅坂にもっていかれてしまったこれ。いやー、CDJも良かったですよ、と、いつの間にか現場にも足を運んでいるのでした。完全に体に入りきっている感じはまだまだしませんが、ソロダンスのパートでは、平手さんがうまく"乗りこなす"感じがあるときはあり、それはいいものです。

 

まだまだありますが、これでトドメでしょう。


「Amore -蒼星-」



なんでこのテイクか? そりゃここにいたからですよ!
4月2日の夜明けの大阪のLVで初めて見て以来、何度驚かされたのか、この曲のSU-METALは、SU-METALであるところの凄さを完璧にドライヴさせ、観客を置き去りにすることも厭わない、文字通りの圧倒。泣く。

 

 

【ライヴ】
ひろく演劇などまで含めて、ライヴとして。


BABYMETAL  Cologne,"白ミサ" 東京二日目,東京ドーム両日

色々と言いたいことはありますが、端的に。泣いた公演です。ライヴで泣くというのがそもそも初めての経験です。どくんごですら、落涙に至ったことはない。

 

℃-ute CDJ16-17

つい先日のことです。何一つといっていいほど予備知識はなく、いざ見ても趣味に合うものは何一つない、のに、これほど自信に溢れ、甘えがなく、かつベテランの臭みがないという稀有なステージでした。

 

dCprG FUJI ROCK FESTIVAL '16

あまりの良さに、午前中ながら、もうここで帰ってもいいとすら思いました。
次のライヴには確実絶対に、参加しなければなりません。

Robert Glasper Experiment 同上

ついにライヴ体験。いいのなんて分かりきっていましたけれども、いざ見てしまったとき体が感じるグルーヴの生々しさは、忘れがたいものとして体の方で勝手に記憶し続けることと思います。

地点 『スポーツ劇』

地点の芝居を実際に見るのは二度目。私にとって、どうしても忘れられないと強く意識することはなくとも、折に触れて話題に出し、その声や仕草を思い出すのだから、きっと影響を受けているのだと思います。先日は東京でニアミス。京都のアンダースローで見る機会を狙います。

加納真実 Parade(s), festival des arts de la rue

フランスのフェスティバルで観た加納さん。私が見られた範囲の、すべての出演者でダントツに豊かで、囲いきれない複雑さと、多幸感に満ちた仮面舞踏会に、思わしくない体調が整って、これぞパフォーマンスと打たれました。

 

 

とにかく今年は移動ばっかりしていた、という印象で、それにともなって思いがけない出会いや展開が数多ありました。出かければ、なにか持ち帰るものがあるという塩梅で、来年はまだ何か集めるものがあるのか、それとも集めたものでまとまった仕事をすることになるのか、まだぼんやりとも分からない状態です。

まずは残りの数時間、大晦日という日に流れる特有の時間の重さを身に受けつつ、次へ備えます。それでは、また。

12月

今月の予定です。

空欄は都度に修正・更新します。

 

3日 エキナカフェスタ 11:00,13:30

9日 まちくるパフォーマーズ仙台 光のページェント

10日 まちくるパフォーマーズ仙台 シリウス

11日まちくるパフォーマーズ仙台 光のページェント

12日まちくるパフォーマーズ仙台 光のページェント

24日女川駅前商業エリア開業1周年祭

25日女川駅前商業エリア開業1周年祭

30日まちくるパフォーマーズ仙台 光のページェント ※マヤマ

 

 

もういっそアイドルの話

「LIVE AT WEMBLEY」のBlu-rayが届いて、4月のLV以来、通してこのメモリアルなライヴを見るのは初めてでしたが、如何せんWOWOWでの映像を不完全版とはいえ見倒してしまったがために、画質と音質の良さに頷くばかりで、たいした感想が出ないのでした。

思えばこのライヴを見てしまったがために、遠路はるばるヨーロッパまで出かけていったわけで、私個人としてもメモリアルなライヴですが、見終わったあと、その感覚をわずかでも漏らさないようにと、しばらく口を開きたくなかったあの経験の強烈さの前では、感慨にふけるなどというみすぼらしさは、無用のものです。

あくまでも私個人の感覚であったことは断っておくとして、このライヴの前半は決して上々のものではなく、むしろヒヤヒヤさせられるところすらありました。SU-METALも、どこか観客のレスポンスの固さにいくらか怯んでいるのでは...と勘ぐるほどで、「紅月」も、派手な演出に対してやはりベストとは言い難いパフォーマンスであるように見えました(8月の"白ミサ"東京公演では声が出倒して喉開ききってそれはそれは凄まじくて号泣です)。対してYUI-MOAの輝きたるや尋常ならざるもので、新曲もリラックスして演じているようで、このあたりから尻上がりにライヴは、というか三人はノせられて、ライヴ後半「IDZ」後の「ギミチョコ」という下りでSUが破顔して楽しんでいるのに、もはや前半の危なっかしさはどこにもなく、「RoR」一曲のみのアンコールの潔さには、すべてを持っていかれました。あー、無限にできるなこの話。

ほんの偶然が、私とBABYMETALとを結びつけた一年に、驚かされ続けでしたが、ここまで大きなものでなくとも、よく知らなかったところに、あるいは知ろうとしなかったところに驚きがあるということに、揺らされ続けていた数年である気もします。アニメやヒップホップも、割と最近まで縁遠いものでした。


しかしまあこれ、実は長い前置きでして、ブリッジなのです。



先日のこれ、まんまとハマっておりまして、いや、それというのもPVでは見えなかった振りの全容(といってもTVサイズ)が見えたらば、これが素晴らしい仕事で...いやなんですかもう、かぶせ音源の短縮版にも関わらず涙腺が緩むほどでしたよ(そもそもこの曲がものすごーく気に入っているからでもある)。

私はダンスの技術判断はもちろん、そもそもド素人なので、ひどくざっくりした理解のもと進めますが、基本的に、アイドルのダンスの振りは、ダンス初心者の人間でも習得にそれほど時間がかからない前提の水準で作られていると思います。もちろん、長年のレパートリーともなれば固有のニュアンスを出すことが難しい、という話にもなるでしょうが、ひとまずおいて、形式的には誰でも踊れる、というものが多いでしょう。
それに加え、キュートであるとかセクシーであるとか、アイドル特有の記号的な操作も多分に含まれ、正直言ってダンスであることの魅力とはまた別のものを楽しむ、そういう振りが少なくはない気もします。

が、TAKAHIROこと上野隆博さんの振りは、「サイレントマジョリティー」や「語るなら未来を」を見ていて、それとは違ってダンスのダイナミズムを保ちつつスターシステムを的確に表現しているものだという感触でした。そしてそれがやはり「プロ」の仕事とでも言うしかない的確さなのです。

「二人セゾン」の振りはというと、おそらく「秋らしく」というようなオーダーに応えたものに思えますけれども、まずは落ち葉が舞うイメージ=バレエという大きな線が見えます。季節感をもたせながら、大枠でグループのパブリックイメージに沿わせつつ、同時に、曲の解釈も進めて細部に至る仕事の細かさにも気付かされます。

たとえば私が心動かされるのは、サビ前にセンターで今泉唯佑と米谷奈々未(ここ当然小林由依の間違いです。見返して気づきました。※2017年12月8日)が手を合わせたあと、それをいったん解いて、絡ませてからまた手を合わせるというディティールでの落葉のイメージの再現の芸の細かさ(!)は、歌詞の「君は突然 僕のイヤホン外した」という"イヤホンの絡まりと解け"すらも想起させ(!!)、ごくわずかな技術負担で多層なイメージの喚起すら可能にしています。
またセンター平手友梨奈のソロダンスパートも、見た目の派手さほどには難易度が低いだろうことを感じさせない、バックのグループとの対比(このテイクがたまたまそうなのか、ひどく微妙なグループからの離脱感も気になる)には、ピナ・バウシュの「春の祭典」からの引用を思わせる緊張感が漂っていて、またそれを違和感なく達成できる平手さんの集中力に感嘆。。いやいやいやいや...ほんとフルバージョンで見たいです。ていうかライヴに行きたい。


正直に言って、秋元さんのプロデュースするグループに、ここまで心動かされると、さすがにたじろぎます。ここのあたりの経緯も話し出すとまたかなり長くなるので端折りますが、いや、欅坂46っていうグループ、すごくすごく大事にしたほうがいいんじゃないですか? 秋元さんの仕事に完全に興味を失ってた私ですら、ものすごく期待したくなってます。



わたくし、啓蒙的な心構えに乏しいのでベビメタも欅もこれ以上多くの人に見てほしいとはあまり思いません。が、アイドルという"ジャンル"の中でこんなにも刺激的なアプローチがいくつもあると、こんな目立った場所であるがゆえに、見過ごされてしまいそうな面白さがあるんじゃないのかと思うとひときわ興奮します。それは、いくらかでも映画に親しんで、先達の導きを経てジャンル映画を知り得た経験が後押ししていそうです。ジャンル映画もまた、多くの人の目に触れられながらも、忘れられていってしまう、そういう宿命を持っていることもしばしばです。こっちもね、限りなくできる話が山ほどありますですよ。



というところで、あれこれやってるうちに11月ももうすぐで終わるんですねえ。次回は、今年最後のお知らせとなりそうです。
ホゴノエキスポについてはちょっとずつお伝えすることも出てきそうです。