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BABYMETAL WORLD TOUR 2016 LEGEND - METAL RESISTANCE - RED NIGHT & BLACK NIGHTのこと

お知らせすべき事柄もございますが、一年のけじめということでまずはお許しを。。

 

...まだ一年!というか一年経ってない!なのに!11回見てる!

 

さて「雨女」の呼び声高いSU-METALさんご招待の台風16号さんの来日に伴う雨と二日間相席となった東京ドーム。長ーい説明を今回は端折りまして結論から言うと、思っていたのとは全く違って、とても幸福なライヴでした。

 

ツアーの締めくくりに居合わせないという選択肢は最初からありませんでしたが、あんなでかいドームなんて...となかば捨てばちな気持ちであったのは否めませんでした。人は豆粒、音は最悪、どこに楽しめる要素があるのかと思っていた予想を鮮やかに裏切って、チームBABYMETALはまたしても小手先のイベントに頼ることなく「いつも通り」を貫くアティチュードを崩さず(とはいえ祭りとしてのサービスを忘れず)してパフォーマンスすることが最良であるという方法を以って、最高の結果を導き出しました。賛否分かれるところではあったでしょうが、モッシュのない客席が作る空気も、ドーム空間を幸福感で満たしていたように見えます。

初めてBABYMETALを観る人も、そうでない人も同時に満足させるために、チームは本当に気を配ったことでしょう(まあ客席の作り方とそこから来る価格との不釣り合いであるとか、業界全体に感じる疑問はないではないですが)。二日間で11万人動員という数字もさることながら、内実の伴ったツアーファイナルの名に恥じない素晴らしい公演でした。。

 

 

 

普通の報告であればこれ以上言うこともないのですが、やはり話したいので続けますね。いいですね。というか、まとめらしいことはどうでもいいんです。細かい話をしましょう。

 

 

これも繰り言ですが、私はSU-METALに心酔していますので、まず彼女の声と視線に殺られます。11回も見てるとそろそろ耐性がついてきたかなと思いきや、むしろ弱体化していく一方。ドームでも死にました。一日目の「蒼星 アモーレ」を歌いきったあとの眼のただ事でない強度に打たれない生物などあるのかと、二日目の「NO RAIN NO RAINBOW」なんてあからさまに泣かせにかかっている曲で泣いてたまるかと思っていたのに、今頰を伝うそれは汗なのかと、やられ放題です(これは小声ですが、二日目最後、転倒からの三人でのあれこれ、銅鑼前のノリノリなダンスなど、さすがにニヤニヤしますよね。。)。
10代前半の頃、色々な俳優やミュージシャンに憧れていた感覚にも似た、いや、それがリアルタイムであるだけにより強い感情に襲われますし、センターステージのモニターにクロースアップでSU-METALが映し出されたときの、美しいと格好いいとかわいいのどの語彙にも正しく網にかけられない情動を、未だに生々しく感じます。

 

大箱でも小箱でも野外でも、海外でも国内でも、常に打ちのめされるのは、あの声と視線。自分の有り様を問い直される全き厳しさとしての素直さを、あの声と視線によって受け取るのです。

 

 

ライヴでは多少の印象の齟齬も仕方ない、技術的な甘さもまあ許すしかない、ライヴとはその場に居合わせたパフォーマーと観客との空気を楽しむものだ...そう思っていました、というのはライヴ後の宴席でのある会話。そういうもっともらしい言葉が、結局はどこかに感じていた自分の違和感を見ないことにするための方便に過ぎなかったと、BABYMETALを通過した今、気づかざるを得ない、ということです。
私としては慎重にならなければならないのは、「だからBABYMETALって凄いんだ!」という無邪気な肯定だけでは済まさず、私たちは生きていくうちに知らず知らず自分自身に嘘をついているということに、気づくことです。

 
私はBABYMETAL、限定してSU-METAL、あるいは公演に携わっている劇団どくんごを通じてこの半年ほど、「嘘がない表現」であるという言葉に何度も戻らされました。私が誰かにBABYMETALの良さを伝えようとするとき、一般的な説明を超えて、どうして自分が惹かれてしまうのかを話さなければならないとき、「表現に嘘がないから」と言うと、自分自身でも納得できます。「嘘がない表現」とはなんなのか。その答えの一つとして、もはや常態化して気づけない自分自身への嘘に、否応なく気づかされてしまうあり方とも言えるのかもしれない、と今回のドーム公演を終えた今、考えていました。

そして付け加えるなら、それは端的に、パフォーマーの使命ではないか、とも。

 

ところでSU-METAL、彼女については、そのうちまとまった何かを書いておかねばとひとり思っております。今後数年の時間をかけて、被った影響の中でどう応答できるのか、まずはその足がかりを作らねばなりません。

 

 

 

 

 

終わったっぽい感じを出しましたが、もう一個。本当はあれもこれもなんですが。。

 

 

 

えー、二日目終盤、「ヘドバンギャー!!」のコール&レスポンスにおいて客席を抜いたカメラは、本当に本当に異例だと思いますが、"重音部"タオルを掲げて「土下バン」をする男性をワンショットで、しかも二回モニターに映し出しました。

"重音部"とはBABYMETAL前身のさくら学院におけるスピンオフユニットの肩書きですが、即ち、かの男性はそのタオルを持っていることで、いわゆる「古参」であることが推測されました。男性の「土下バン」パフォーマンスは「古参」であることにおいて意味があります。なぜか。彼は、"アイドル"としてのBABYMETALのファンだからです。

BABYMETALは「カワイイ(=アイドル)」と「メタル」の融合をキャッチコピーにしていますが、これはそのまま対立図式でもあり、今もってそれぞれのジャンル意識と摩擦を起こしています。とはいえ、彼女らの出自はやはり"アイドル"のそれであり、男性のパフォーマンスはそれをはっきりと再確認させるものでした。その姿はなにか滑稽でもあるけれど、どこかいいようのない感動もある。。それって要するにBABYMETALそのままじゃないか、と私は思うわけです。
そもそも「ヘドバンギャー!!」という曲は、BABYMETALが初めて単独でライヴをすることになった、鹿鳴館への参加チケットが当たる特典付きのシングルCDであり、また、今公演と同名タイトルが付された武道館ライヴ初日でYUIMETALが転落事故を起こした曰く付きの楽曲でもあり、否応なしに、この曲がドームで歌われていることに、過去の重なりが透けて見えてきます。そして男性の「重音部タオル」は、その過去の重なりのもっとも下の階層にあるもののひとつです。ライヴという現在からの呼び声に、過去が応える、実に5年の広がりを持ったコール&レスポンスにも見えます。


また、これはスタッフの機転(?)なしには、我々に届き得なかった過去からの声なのです。彼のような「古参」が人知れず回したバトンがあったからこそ、私のような者にまでBABYMETALという存在が届き得たのと同じように、スタッフが彼の"声"をまさしく聞き届けたから、ドーム会場へと、再びバトンは回ったのです。例えそれが互いの悪ふざけの噛み合いだったとしても、感動的な出来事ではないでしょうか。


そう、、、本当に感動的でした。二日間を締めくくって幸福だったと言えるのは、こんな事もあったからです。

 


そして本当はですね、国内外の方々との再会もめちゃめちゃに嬉しいことでですね。。たった三ヶ月前なのに、まるで小学校の同級生とでも再会したような感覚になりましたよ。。自分がこういうところにいるのは本当に不思議です。

 

 

えー、まだまだ話は尽きないですが、そろそろ明日のヘブンアーティスト審査会へと向かわねばなりません。続いては普通のお知らせをどうぞ。