20190529 NILKLY始動、あるいは小林潤の衝撃

無事、韓国遠征からきこkNILKLYが見たいです。


つい報告の途中で心の声が漏れてしまいました。

 

ここ、今年は特に活動報告というよりは雑記の場なので、趣味に淫することをお許し願いたいのですが、ひっさびさにアイドルに心撃ち抜かれてしまった。

 

 

 

今年2月にTHERE THERE THERESを解散後、各メンバーの移籍やソロ活動スタートを経て、ついに平澤芽衣の新グループ「NILKLY」が5月25日に始動。腕にはあの黒い羽が。これだけでいくらか涙腺が緩んでしまう。

 

しかし、楽曲はすべて新曲、ダンスも過去のゼアゼア/ベルハーとの近似すら感じさせない、キビキビとしたそれ。羽を纏いつつも、既にして"亡霊"はどこへやら、しかもそれに哀愁を感じさせることもない。真っ直ぐフロアへ向かうパフォーマンス。楽曲もロックの大枠は保ちつつも、ダンサブルな振り付けとの相性なのか、相当に攻め込んだ印象です。

 

平澤さんの堂々たる風格は何も変わらず、かといって自信を振りかざす素振りもなくキュートネスを振りまき、初アイドルという伊吹さんも、見劣りすることなく演じきっていて今後にも大きく期待なのだが、それにしても小林潤さんには完璧にやられてしまった...映像を先に観て、早く実際のステージを観に行きたいと思ったのはいつ以来でしょうか。2年前、いろいろな現場へ行ってこの目で確かめてみたい、と思ったあの感覚を、また引き出してくれました。小林さん、マジのマジに超超超素晴らしいです。えー、ほんとうに早く観たい!

 

私はディレクターの田中さんの作る音楽とステージが大好きで仕方ないのですが、田中さんの音楽の趣味と、その他にもユーモアと心からのピュアさに、自分が10代の頃恩恵を受けた多くの芸術作品に触れたあのときの感覚に通じる部分を、これでもかと刺激されます。
加えて、どのグループも本当に魅力的なメンバーを集め、まぎれもない「アイドル」として、そのポエジーとも呼ぶべき部分を、結晶させずむしろ外の世界に四散させていく気前の良さのようなものにも惚れていまして、要するに、わかるわかる、という共感的なコミュニティを飛び出して、ある表現がアイドルを介して異種混合のキメラ的になっていくことが、たまらなく楽しいのです。

 

が、小林さんもまたそうした媒介を務めつつ、どこか田中さんのポエジーの結晶化をうながすような、今までとは一味違った側面を覗いたような気分にさせてくれます。俯きつつ激しく身を揺するさまに漂う、曰く言い難いシャープな美しさ...そこに、かつてロックというものが託し託された、若さの持つ孤独と潔癖さみたいなものを読み取ってしまう...
なーんて、在宅の思い入れがすぎる主観でしかないのですが、こうした思い込みを加速させてくれるようなパフォーマーが今再び現れた、それも私にとって面白くて仕方ない形で現れたということに、興奮せざるを得ない。そう、得ない。

 

踏み込んでことを明らかにしすぎるのは無粋なのでとどめておきますが、小林さんがNILKLYにいることの興奮と期待は、決して私一人のものではないはずです。

 

いやー、おもしろいな。新曲はもちろん、過去の曲を演じ直すのも、メンバーが増えていくのも、楽しみでしかない。