NILKLY配信を見て その2

現在大別してA~Dを並行して作業していて、今日は作業Aに従事。6時間くらい動いて、ちょっとずつ掴めてきたところと、まったく分かってなかったことが分かってきて、ひとまず来週に持ち越し。なんてこれ、そろそろ告知が始まりますが...

 

で、その作業の前に(先に作業をしろ)NIKLYの有料生配信 『FIVE DRIFTERS LIVE』をアーカイブで見ました。やはりジェニシーさんがいるとゴージャスだな〜、とか曲のアレンジ色々変わった?とか思いつつ首を振って見てたら、そのままうっかり最後まで通してしまいました。しかたない、面白いから。しかたない。。

 

冗談はともかく、生配信時は寝る前の時間にスタートしたので、様子だけでもと思ったら楽屋(見慣れたコインロッカーの前だけど)の様子が。...これこれ!こういうことですよ。出番前から配信はスタートしてほしいんですよ、とまさに我が意を得たりで、しかも一台のカメラでそれを追い続けてるわけだから、これはどうステージに上るのか見届けねばと思いつつ歯など磨いていたけども、これがまた絶妙なタイミングでカメラがスイッチされたのは見逃しませんでした。楽屋からステージへのシームレスな移行に見えて、その実しっかりと切断があるのは、技術上進行上の必要もさることながら、パフォーマーのオンとオフの切替、まさしく場の空気が変わることに寄り添ったスタンスでもあるでしょう。

 

さて配信本編、りんご太郎さんの前後移動するカメラオペレーションは今回も健在。カウントに同期しつつ前後しているかに見えて、時々そのリズムが微妙に変化し、また曲が変わればそれに応じて前後移動のシークエンスも長短を変じます。
こうしたフレキシブルなスタンスの持ちようが、後半の「odyssey」などでは、ここはパフォーマンスの熱にノってもOKと言わんばかりに、前後だけでなく左右へもグイグイと動き出すことになり、ここぞというときはメンバーの顔とガッツリ対峙することも辞さないありかたにライヴ感がありました。

 

こういうカメラの動きを見ると思い出すのは、友人のオタクが撮っていたファンカムなのですが、フロアのテンションというか自分のテンションに忠実な画面の揺れ動きは、対象を正しく捉えるということの幅広さについて、いつも考えさせられます(ただ、この方は後に、意識的にしっかりした画作りに傾倒していくのですが)。

 

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こうしたアクビレックの生配信では、擬似的な臨場性だけが武器になるのでなく、がっちり視覚的にデザインされたパッケージを積極的に見せていくスタンスといえます。またそれが装飾的というより、ライブ感をどう映像に翻訳するかへ賭けられているようにも見えることも重要でしょう。これは、現在の音楽界の配信状況の中でも、わりと特異なあり方なのではないでしょうか。
そしてまた、アクビレックの配信チームは、素人目にも相当なクオリティを誇っているようにも見えます。(とくに、弛緩した画面とダイナミックな動きのある画面を瞬間的に采配する、ふたつの意味で無数の現場経験のあるらしいスイッチャー加賀さんの仕事ぶりは際立っています)実際、配信を見た観客の反応も絶賛といっていいものでしたし、繰り返すなら、もちろん私もとても楽しませてもらいました。

 

...ただ私は、評価が高まると、どこかで逆にも振りたくなる癖があるので、クオリティが高いことが即、すぐれた配信になるわけではないという話もしておきたくなってしまう。

 

ということで、こうした状況以前から、わりとカジュアルに生配信を行っていたアイドル、3776の存在を今いちど確認したいものです。ライブに限らず、旅先で、それもとくにティピカルな風景でもないどこかで、じつに絶妙なやり取りを見せてくれる井手さん・石田さんコンビ(あえてこう言ってしまいますが)の空気感。また、音響もごくミニマムなセットで行われていた全国行脚シリーズの配信も、たいてい固定カメラのみの簡易なものでした。一見するとロークオリティな弱い表現も、実は常に相対的なものでしかありません。3776においては、後のワンマンライブで「ダイナミズムへの誘い」というコンセプトへと、その弱さが回収されていった部分もあります。

 

ですから、アクビレックのハイクオリティな配信を楽しみ驚きつつ、そこから直ちに「ハイクオリティだから良い」という論理に流されきることなく、どこかひ弱ですらある配信にも、積極的なおもしろさが生まれうると期待したくなるのが、私にとってのアイドル文化であります。
ないものねだりというかわがままというか、そういうのも見たいなあ。たぶん、見てないだけであるんだとは思う。

 

 

あ、タイトル「その2」にしたけど、前は微妙に違うのよね。まったくどうでもいいし、いきなり最後に言うようなことでもない。