4月のお知らせの前の雑談

BABYMETALの今年初ワンマンの開催がお知らせされましたね。6/16に、LAとのこと。チケット争奪戦が予想され、Kornのサポートアクトに参加予定だったメイト諸氏はスケジュール調整も余儀なくされているのようですが、私といえば、その日は行けねえ!

上半期はなんだか本当に観たいものとのスケジュールが噛み合わなかったり、突発的な事情で観られなくなったり...マジメに仕事をしろとのお告げでしょうか。


友人に、どうしてそうなったと言われるほどにはドルヲタ化が進行している昨今ですが、映画であれ文学であれ、自分は、仕事とは直接に関係しないものに近づくことで、考えが深まる質だと思っているので、今はたまたま「アイドル」というジャンルに接近して何らかを考えているということですね。私が言うと言い訳めいて見えますが、保坂和志さんも似たようなことを言っています。そういうものですよね。

考える、というと「アイドルとは...」と原理論にふけっているかにも思えますし、まあそういうときもありますが、どちらかというと、単に見てるだけで、何かを見れば、体の中で言葉にならない縺れが生じるので、その縺れや絡まりの度合いに応じて言葉が必要になってきたりする、という具合でしょうか。言わずもがな、BABYMETALがその絡まりを最も強く与えるもので、言葉にする切迫感も強いものです。まあそれにしてもなんでアイドルなのだ、という感触は私自身にも多少ありますが...

 

 

ここでも何回か触れてますが、いまベビメタとは別によく見ているのが欅坂46です。チームのデザインが優れていて(グッズは本当にひどいですが)、特に振付を見るのが楽しいのです。そんな欅坂46こと欅ちゃんの新曲が出ます。

表題曲では、今まで楽器の音を前景に取り入れていた印象がありましたが、今回はほとんどEDMといっていいんでしょうか。アコースティックギターの音も入っていますが、Youtubeの音源だといささか後景に退いている感があります。ともあれ、最大公約数的な"アイドルソング"のポップさとは別の仕方で売り出しているのは明らかです。私の知る限り、秋本さんは、48グループでも個別のシングルでこうした路線を打ち出すことも珍しくありませんでしたが、欅坂に関してはグループ全体のイメージづくりに作用するよう、かなり意識的にプロデュースしています。ラジオで放送されたカップリング曲の「エキセントリック」などはハウストラックで、ドライなラップ(訥々とした語りに近く、うまく収まっているように感じます)もあり、ここまで規模の大きいアイドルとしては異色のサウンドと言っていいものでしょう。これをもって、他のアイドルグループ–––むしろそれは自身のプロデュースする関係グループ–––との差別化を図っているかのようです。

MVを一聴してわかるのは、メンバーそれぞれの強くエモーショナルな視線と表情であり、センターの平手さんなど、規範的なアイドル像から相当に逸脱したパフォーマンスを見せています。これを是とするか否とするかは私自身は、ひとまず判断留保という立場ですが、このMVで強調されている攻撃的なトーンにせよ、もちろん歌詞にせよ、イメージ戦略的なものがあからさまで、それに鼻白む思いはあります。そもそも、映画を見慣れた目には、いくらなんでも寄りで画面を作り過ぎじゃあ...という感想もあります。
肝心の振付については、いずれ来るだろう、来てほしいBSなどでのフルバージョンの放送を待ちます。



対してこちら。



一転、引きの画面を主に作られたカップリング曲のMVです。このグループに親しんでいるものならピンとくる振付やエピソードの引用が散りばめられていて、それも楽しいのですが、おそらくそうテイクを重ねなかったであろう(ここまで書いてから読んだ『OVERTURE』の取材によればテイクを重ねていたそう。どのテイクが使われているのかは不明です)、不揃いなメンバーの動きにそれぞれの個性が伺える塩梅で、とてもいい映像になっていると思います。段取りをこなすのに専心するのではなく、遊びの見える様子が嬉しいものです。曲も凡庸なアイドルソングに聞こえそうですが、マーチング風のアレンジが利いていて、サビの高まりにも、歌詞の驚くべききれいごと感もまあ見逃してやろうかというほどには頬が緩むというものです。平手さんの表情も、力が抜けつつ意志的でもあり、これぞという魅力が漂っています。

しかし、まったく別の話題で、『けものフレンズ』のサーバルキャットちゃんの絶妙な"アホ面"に惹きつけられてしまう、という趣旨のツイートを見かけて、ある顔に注目してしまうというのは、なんなのだろうかと思ったり、私は比較的「顔」というものが好きだなあと省みていたり(今日もアメリカのラッパーであるYoung Thugの生意気が服を着てるような顔に惹きつけられていました)。


さてさて、だらっと適当な話をしたところでお知らせに移りましょう。