せんだいキッズジャグリングフェスティバル終了!

ホゴノプロフィスによる、日産スマイルサポート基金2018年度事業の総まとめ「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」が無事終了!
いやー、いつもながら自分が出ないイベントのほうが、緊張したり焦ったりするものですね。 

 

半年に渡って、市内3ヶ施設の子供たちと練習を積んできたわけですが、お互い手を抜くことなどなく、本番を終えられたと思います。それぞれにミスがなかったわけではないですが、やれることをやったという感触は、みんなの手に残ったのではないかなと思います。そのうえで残るやり足りない気持ちで、次の何かを産めばよいと。これは子供たちに向けてというより、自分自身にも重ねて言っていることではあります。

 

今回はじめて、こんなにも長く「子供」と接してきたわけですが、彼ら彼女らは、これから覚えることがたくさんあるとはいえ、すでに社会の成員という感じでして、常識もあれば分別もあるという意味で、そんなに大人と変わらないのです。変わらない、というのは言いすぎかもしれませんけれども、特別な存在ではありません。ちょっと時間を守れなかったり、他人のことや先のことが考えられなかったりするくらいで(彼ら彼女らが自分や職員の先生から最も怒られたトピックです笑 こんな大人も全然いますね)、ほんとうに"人間"という感じです。


なので、ステージに立つときも大人と同じで、しばしば照れがあったり、やらずに済まそうとしたり、ほどほどにこなそうとする判断も働いてしまいます。パフォーマンスには、普段ほぼ必要としない力を使うので、スイッチを切り替えないといけないわけです。そもそも、切り替えるスイッチがあることを見つけなければならない。そのうえで、技術として様々なことを覚えていく。今回は子供たちが主役とはいえ、大人でも同じようなプロセスを辿ったことでしょう。普段の生活の場から半歩横にはみ出したところでパフォーマンスは成立するし、またそれが自由で楽しいものだと、ちょっとでも"うまみ"が感じられていたらよいなと思いつつ、一緒に作業していました。

そして今回、単なる発表会でなく「フェスティバル」として企画したのは、子供たちがジャグリングを介して、別のコミュニティに属する人たち、長くジャグリングのコミュニティに属する人たちと出会う場を作りたいという狙いがあったからです。これはもう、私が小学生のとき、ヨーヨーを介して様々な人達に出会った面白さが根っこにあるからでしょう。あんまり面白かったので、軌道が逸れ過ぎて現在に至ったわけですが、複数のコミュニティを飛びかえる身軽さは、誰しもがもっておくべき自由さである気がします。

 

 

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少し視点を変えてジャグリングの話を。
今回子供たちと作業して、最も試したかったのは、「スキルフルではないジャグリングの面白さ」です。ジャグリングは、とにかく難しい。難しいからこそ面白い、という視点を、少しだけズラしてみること。
もちろん子供たちが今回発表した技は、大人であれば簡単にできる、などというものではありません。時間をとって取り組んだからこそできるものです。ですが、プロ級かといえばもちろんそうでもない。セミプロですらありません。にも関わらず、普通のお客さんが、楽しんで見ることはできる、そういうものを目指しました。

 

ジャグリングは、難しいこと、取り組む人が少ないことによって、その価値が底上げされている面もあります。逆に言えば、ジャグリングは全て難しいし、難しいことをやるものだ、と短絡してしまうこともあります。
私はヨーヨーから数えれば20年この分野に親しんでいますが、やる側としても見る側としても、難しいかどうかはさておいて、とても楽しいと感じるジャグリング・ジャグリングのパフォーマンスを、いくつも経験してきました。そしてそのことが、私を20年同じ場所にとどまらせている理由にもなっています。難しいことに取り組む"だけ"では、あるいは、別の難しさに気づくことがなければ、ここまで関心が持続しなかったことでしょう。固くなりますが、言い換えれば、物理的なコントロールの困難さと同時に、コントロールされた運動を知覚することの複雑さを知ったからこそ、試すべきことが現れたと言っていいでしょう。子供たちの発表にも、様々な意味での難しさを盛り込んだつもりです。それが、少しでもイベントを、彼ら彼女らの半年を豊かにしていればと思います。

 

 

さて、この「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」、来年の開催の見通しが立っておりません。開催前は、一度きりで終わるのは残念だなあと考える程度でしたが、イベントのあと、記録映像で子供たちの発表を見ていると、これはどうにも終わらせてはならんぞという気持ちになってきました。可能なのかどうか、まだまだわかりませんが、どうにかこれを続けたいという強い気持ちになっております。開催に向けては、多くの方の手助けをお借りすると思います。どうぞよろしくお願いします。

 

 来年また、イベントのお知らせができることを願いつつ、まずは次の仕事の準備にかかります!