20191103 東京日記:神保町とネイサン

東京に移ってから最も嬉しいのが、神保町にいつでも行けるということ。神保町、それは夢の国。願いが叶う場所...今は年に一度の古本まつり中でして、もちろん足を運びました。(3回も)


以前ほどではないけど、本を買うのは一番楽しく、読むか読まないかなど、二の次であることも稀ではない。本は、買うか買わないかでしかないのです。靖国通り沿いに並んだ本本本。行きつ戻りつ、目を皿にして眺める。買うか買わないかでしかないが、買わない本にもまた味がある。あ、あれがあるのか、この店はこんな傾向なのか、ということはこんな本もあるはず...懐かしい本、未知の本、興味のない本、それらが無限に思える物量で居並ぶ壮観さ。古本に見飽きたら、新刊屋へも行く。東京堂書店という、一番好きな本屋がある。入口のすぐ右手にワゴン。澁澤龍彦の伝記が出ている...先行発売らしい。隣には麗々しく帯に書かれた、やはり澁澤の名前。他には山尾悠子小村雪岱...泉鏡花の選集らしい。函から本を取り出すと、雪岱の美しくかわいらしい装画が全面にあしらわれている。『山吹』『春昼後刻』など、もはや懐かしい作品の名前が並ぶ。そうだ小説も久々に読むか...さっき文庫の藤枝静男『田紳有楽』を見かけたな...移動中に読みやすいから買うか...とキリがない。
ちなみに神保町は食も素晴らしい場所です。ことによると、世界で一番いい場所じゃないか。エル・ドラドとしての、アルカディアとしての、神保町。

 

 

さておき、東京というのは我々同業、つまりサーカスなどの公演も、仙台では考えられないほど頻繁に行われています。現在東京で公演中なのがシルク・エロワーズ『サルーン』。

 

fujitvdirect.jp  13日からは大阪公演。

 

 

エロワーズはカナダのサーカスカンパニー。日本人ジャグラーの浦和新さんも所属されています。

内容は、タイトルの通り西部開拓時代の酒場をモチーフに、アクロバットやジャグリングが行われる、ごく正統なエンターテインメントです。円形でこそないが、クラシカルなサーカスの雰囲気といっていいでしょう。動物やクラウンメイクのキャラクターもいませんが、ごくごくシンプルに驚いたり楽しんだりできる、一流のパフォーマー達によるショー。アクロバットのことはさっぱりなので、素人同然で、うわー!こえー!などと思いながら見ていましたし、ジャグリングはバッキバキのテクニシャンたちがスキルを目一杯使って観客を活気づけていて、細かいことはほとんど忘れて楽しみました。

 

こうした来日公演があると、しばしばジャグラーがジャグリングサークルに遊びに来たりするものです。今回も、クラブジャグラーのネイサンが横浜に遊びに来るというので、出かけてきました。いやいや、マジでうまいんすよ。

 

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サルーン』のステージでも、信じがたいテクニックをガシガシ見せつけてくれていましたが(技の種類が豊富なうえに、全然タイプの違うテクニックを複数見せてくれる)、ボールもディアボロも様々なアイディアを持っていて、さすが一流のパフォーマーは違う!のひとこと。しかも彼、アクロバットをメインに移行中なほど身体も効くし、今日は、次のショーでトランペットを吹くんだけどさ...などと言って、音楽の素養まである。

 

そうそう、ついさっきまでネイサンと公園でジャグリングして遊んでいて、とても楽しかった。恥ずかしながら英語がてんでダメで、コミュニケーションはおぼつかないながらも共通言語のおかげと、彼自身の温和そのものの人柄もあって、仲良くなることができました。フィーリングが近いジャグラーと知り合いになるのがたぶん久々で、ちょっと嬉しくなってしまった。また必ず会いたいものです。

 

 

東京、このまだ慣れ親しんだ訳ではない土地で、偶然がモノや人を結びつける速度と網目の細かさを、必ずしも楽しんでばかりいるとは言えませんが、この一週間ほどは結構面白く過ごしています。