小休止、雑記

11/1から3日間、先日お伝えしました「it's 笑 TIME」に出演しました。
パフォーマンスの新調に加え、久しぶりの路上パフォーマンス、思わしくない天候と、何年かぶりで緊張を覚え(緊張感はいつも保っておりますです)、道行く方々の足を止め、かつ、同じ土俵に乗っていただく難しさ、と言いますか、私のパフォーマンスはちょっと入りきるまでに時間がかかるのだなあ、重いのだなあと反省ばかり、もそうはしていられず、次々とステージの時間は迫り、コーナーまるまる一つカットするなど、ザクザクと切り込んで、これは良く出来たと及第点を出せる回もありました、というところで私の総括は終えました。
場所柄もあってか、いつも以上に友人知人にご覧いただくことができたのも望外の喜びであり、まだ足元定かならないパフォーマンスの道行を見事助けていただきました。改めて御礼を。

今回はティーライズのお笑い芸人の方々が、それにしても見事なMCによってお客様の耳目を引いて場を作っていただいたのですが、とりわけ大場カズキさんには、道具を前のポイントに忘れるという私の失態を、風のような軽やかさと早さでフォロー(要するに、数百メートルも雨のアーケードを往復し、私の手元に届けて下さったのです。これだけでも驚きましたが、息も整わぬうちに、滑らかなMCにつかれるという離れ業に二度驚かされました)していただき、あっさりファンになりました。なるほど、「OH バンデス!」にレギュラー出演されていて、特技はイラストとのこと。

また、同じストリートライブの枠で共演、と言ってよいのかな、ご一緒したもんたくん&華さん、鈴木拓矢さんのパフォーマンスを拝見できたのも貴重な機会でした。もんたくん&華さん(付言するなら「もんたくん」はもんたくんさんの芸名であり、決して距離を知らない非礼を犯しているわけではないので、あしからず)の大道芸は、バルーン、ジャグリング、アクロバットと、ネタ数豊富で、二度拝見した限り細部のネタは取り替えが可能でその時に応じて使い分けなされている様子。私は芸人ですが、無芸というか、ネタが少ないので、とっさのことに弱いのですが、こういうネタ数の豊富さには憧れます。これは鈴木さんにも共通していますが、パフォーマンスの断片性みたいなものが私には徹底して欠けているので、先述のような「重さ」がまとわりつき、今回のような機会では、それがかなり弱点として露呈した感があります。

鈴木拓矢さんは、お名前は昔から存じ上げていたものの、そのパフォーマンスを拝見したのはごく最近で、鈴木さんの芸がどのような傾向なのか掴み損ねていたところもあるのですが、自分の出番の前にご挨拶をと思い、軽い気持ちでステージに立ち寄ったら、思わず泣かされかける(どうでもいいことですが、私は映画以外でいつも落涙に至ることがないので、「泣きかけた」は「泣いた」とほぼ同義にしてます。全くどうでもいい)ほど素晴らしい大道芸でした。自作の道具も、奇抜なアイディアというレベルをはるかに超えて特性を引き出し(運搬のことも考慮された美しいデザイン!)、押し付けの全くない、かといって自閉することなく通りすがりの方々に対する嬉しい不意打ちとしてそれを扱う手さばきは、端的にショックでありました。軽さ、というのは扱うものに相当のセンスが要求されます。「軽さ」を伝えることの微妙さは、私が憧れてもなかなかたどり着けない、遠い感覚ですが、鈴木さんの大道芸はそうした「軽さ」に溢れ、まさに名人の芸と言わざるを得ません。

そうして日曜は「多夢多夢茶会」が迫っています。おかげさまでご予約満席、急遽立ち見席を設けます。
そんな「多夢多夢茶会」に向けての練習の折、トランペットの南部大地から教えられたtUnE-yArDsというバンドが極めて面白く、これは困ったぞと、いう感じなのです。


これもまた軽さの美学というか、小さなものから大きな効果を引き出す、といっても大げささは全然ない、という、ちょっと驚くべきクオリティです。ライヴ映像を見た限りでは、きっとCDより面白いのでは、と想像しています。


長くなりました。

ここ最近、ご縁があって、面白いお仕事やお話をいただけたりと、星の巡りのようなものを感じつつある11月、年の終わりの近づきを思う時期ですが、今しばらくこれからの芸に期待を馳せてまずは今週末に備えを進めます。