どくんごは去り、持ち場へおずおずと戻っていくかに思えたのもつかの間、先週土曜は
ベガルタ仙台の勝利の高揚感に酔うサポーターの皆さまへの毎度ながらささやかなクールダウンにと拙いパフォーマンスを提供しつつ、帰宅後一息つく間もなく仙台駅は
東口に早足で向かい、途中で
ポケモンと戯れつつも東京行きの夜行バスへ乗り込み妙に冴えた頭で朝まだきの新宿へと到着したのでした。
いやはやしかし、
フジロックですか。国内外の音楽を愛する者たちの聖地と言われる(のか?)フェスにはじめて出かけてきた理由は、一つではありませんが、まあ一つみたいなものとカウントしてよろしいかと存じます。
今年のフジは例年になく天候に恵まれたそうで、三日目も、私が到着した午前中からすでに、陽射しが痛いほどでした。道中にはラフでカラフルな格好の方々がゆるゆると歩みを進めていくのに出くわし、なるほどこれがフジロッカーかと感心したり。
そしてゲートからながーい道のりを経て
フジロック中二番目の規模である「WHITE STAGE」へ。
まだステージが始まらないのに、多くの人が。黒赤のTシャツが多い気がするのは見逃してください。
別のステージ。
フジロック最奥部、ですかね。「FIELD OF HEAVEN」です。道々の木々などに趣向をこらしたアーチやらなにやらがありまして、夜には照明として機能していました。多くの人が写真を撮っていましたので、検索してご覧ください。
こちらはフジロッカーらしい健康的な(おっと)方々が醸す雰囲気が漂っています。
最大の規模を持つメインステージである「GREEN STAGE」前。撮影した時に人だらけだ、と思ったものですが、ヘッドライナーである
Red Hot Chili Peppersのパフォーマンス中は、さらに身じろぎならないほどの人人人で溢れかえっていました。
さっき大して人の集まってなかったWHITE STAGE前。ぎゅう詰めです。何ででしょうか。黒赤のTシャツの人が更に増えた気もします。
ま、BABYMETALですよね。
性懲りもなく、今年5度目のライヴです。
カンカン照りのフジだったにも関わらず、彼女らのパフォーマンス中にだけ雨が降る演出まで。豪雨の中待機していた先月の
シュトゥットガルトを思い出したり...
が、
シュトゥットガルトを思い出したのは雨ばかりではなく、その他の観客と私との相性の悪さも含めてでした。開演前からの圧縮は前方から一切安全地帯を奪い、ろくにステージを見ることもできません。せっかくいい場所にいたにもかかわらず、自分によい所を探すには、ステージからずっと離れた
PAブースよりさらに少し下がらないといけませんでした。あー! 悔しい! ほとんど一切BABYMETALのライヴを体験した感触を残せず、ヨーロッパ以前のそれに戻ってしまいました。
しかし後ろに下がったことでモニターを見る回数が増えまして、ズバッとSUの表情が抜かれると相変わらず"持っていかれる"ような感覚はあったので、まったく満足はできないものの、まあ許してやるかと思ったわけです。私にとってBABYMETALのライヴは、喧伝されるような狂騒的なライヴ空間への参入ではなく、むしろ静的で、異様なほどと言うべき強い集中へと誘う経験なので、じっくり見られる環境が整ってようやく身体に入ってくるというね、ああまったくなんて面倒なオタクなんだ。と同時にSU-METALがちょっと
ロングトーンを出せば圧倒的満足を得られるのだから、何てチョロいオタクなんだ。
それはともかく、他のお目当てであった
dCpRgとRobert Glasper Expelimentがですね、完璧でした。今にもまたライヴに参加したい! 彼らのライヴでは、複雑にリズムが撓んで身体を追いこすと、その驚きが何度も自然に声となって漏れだしては再び身体を別の仕方で揺すりはじめ、冴えているのに酔うような喜びが体内をうねって。。それは最上の体験です。
リズムが揺らぐこと、それが断ち切られること、そしてまたそれが舞い戻ってくること...音楽的な語彙を持たないのでひどく感覚的になってしまいますが、私がジャグリングでそうしたいと常に望み、かつて幾ばくかは試しもした、あの感じは、やはり音楽の経験と切り離せないのだなあと強く確認しました。
どうにももやもやとした感じが残されていますが、そもそも今は言語化への欲求が退潮気味で、これというものをとにかく身体にぶちこんでおきたい時期が来つつあります。観ないと、聴かないと、始まらない。今年は肚を決めてあちこち行くようにします。
てなところで、来月も隙を見つけてまた遠出の予定が。いや、それはBABYMETALじゃないですよ。正確に言うと「だけ」じゃない。そうそう、どくんごも
石巻にやって来ますしね。
次は8月の予定ももちろんお知らせ致します!