おやすみホログラムと地下のシーン

 

ステージからはみだして動くカナミルと、その反対側でときたま思い出したように踊る八月ちゃん。または、はしゃぐ八月ちゃんをふてぶてしくヤンキー座りでながめるカナミル。ふたりの熱さとクールさは入れ替わりながら、ひとつの均衡を保ちます。
アイドルとしての芸というより、ステージで垣間見える、二人のこの在りかたに、ロマンティックなもの強く感じてしまうのはおそらく私だけではないと思います。二人は、プロデューサーの小川晃一が創作上のテーマにしているという、「それぞれの場所で1人で踊り続ける」をそのままパフォーマンスしているかのようです。1:15:00から始まる「ニューロマンサー」は、ロックへの憧れを再燃させるには充分すぎるほど最高。


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そしてこんなに熱いバンドセットでライヴをしたかと思えば、アコースティックセットもやってしまう。こちらではとぼけたMCも。


6月28日には、この動画の一ヶ月前に行われた下北沢でのライヴ音源が『0413』として販売されるそう。私は買います。

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おやすみホログラムを知れたのは、もちろんBABYMETAL体験以降、わりと真剣に腰を入れて今のアイドルの状況をチェックするようになったからこそです。その過程で他にも、主にヤなことそっとミュート、Maison Book Girl 、There There Theres(=BELLRING少女ハート)、MIGMA SHELTER、Gang Paredeと、音源でライヴでファンカムでその活動を見ていまして、ことにThere There Theresには少し悔しさ混じりの驚きがありました。これは別立てでなにか書きたいと思っています。


それにしても、インタビューを読んでいると、ももクロからBiSとでんぱ組.incがそれぞれのプロデューサーに与えたインパクトというのが、今のアイドルシーンを作っているようで、いずれ見直していかねばと思っていますが、"ヤナミュー"の運営チームである慎秀範のインタビューで(影響源としてBABYMETALの名が挙げられている)、大勢が影響し合う今のアイドルシーンをかつてグランジ・シーンが隆盛したシアトルに例えていることには得心するものがありました。

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このような状況がいつまで続くのか、分かりませんが、この面白い動きに巡り合った機会は、何やら私自身の必要と重なっているようです。それもいずれ、あるいはすでにパフォーマンスの形で現れているかもしれません。


言わずもがな、アイドルにも多数の曲を書いた山下達郎はしきりに、わかりやすいもの、キャラじゃないもの、と自身の老いを笑い混じりの理由にしつつ、初演奏の「ハイティーン・ブギ」を交えたセットリストをパフォーマンスをしていました。達郎さんのような圧倒的なパフォーマーに自分を重ねるのはただの恥と知りつつ、そういうことをしたいのは、老いからばかりとは限らないなあと考えていました。

 

 

 

そんなことを脳で蒸留させているところへ乃木坂46齋藤飛鳥をボーカルに迎え、ティカ.a(やくしまるえつこ)作詞というMONDO GROSSOの曲がやってきました。(しかしずいぶん前時代的なMVじゃないですか?)今年は音楽が本当に楽しい年です。