今年のまとめ 見たり聞いたり編

今年見聞きして、良かったもののまとめです。

 

音楽

 

・・・・・・・・・『         』

6月の「あるばとろす vol.1」においでいただいたドッツさんの1stアルバム。今年最も繰り返し聴いたアルバムのひとつです。ライヴと音源の落差を感じさせないにも関わらず、最後から頭に戻ってループしても聴き疲れないサウンド。この後スプリットシングルとしてリリースされた「Can You Feel The Change Of Seasons?」もまた最高。


・・・・・・・・・「きみにおちるよる」(Official Music Video)


ototoy.jp

lyrical school 『WORLD'S END』

アイドルラップに感じていた微妙な距離が、この一枚でどこへやら。最初から最後まで粒ぞろいに軽やか。何周したかわかりません。ライヴも肩の力が抜けているのにそれぞれの個性が立っていて、ユルいけども、ダラつかないのが、気持ちいい。また見たいです。


lyrical school「消える惑星」

 

おやすみホログラム『0118』

新譜も良かったんですが、おやホロはアコースティック音源も大好きです。百瀬巡さんのエレクトリック・ヴァイオリンがまた素晴らしい。


おやすみホログラム 「ニューロマンサー」アコースティック セピア動画

 
Maison book girl『yume』
矢川葵さんが本当に世界一素晴らしい...だけでなく、サクライケンタさんの総決算的な作品になっていました。構成により、旧曲と新曲とが照らし合う関係にみえたり、興味深い作品でした。ところで「ボーイミーツガール」はカラックス「影の電車」はゲリンからの引用、なんでしょうかね。


Maison book girl / 狭い物語 / MV

 

THE CORAL 『Move Through the Dawn』

Vaporwave風のジャケットがとんでもなくダサいですが、いまだかつてカッコよくオシャレであったことのない彼ら。音楽的にどうこう言うべき部分はないのかもしれませんが、久しぶりに好きなアルバムでした。個人的に4thアルバム「Roots & Echoes」は"無人島の一枚" です。


The Coral - Eyes Like Pearls



Weny Dacillo 『AMPM 2018』

ヒップホップではダントツでこれ。メロウで最高。


Weny Dacillo - Friday Night

 

VIDEOTAPEMUSIC『Souvenir』

タゴマル企画のデザイン作業中に小野宅で聴いて、とても気に入ったアルバム。


VIDEOTAPEMUSIC - Hong Kong Night View (from the Souvenir album - 180GLP02)

 

折坂悠太『平成』
これは凄かったですね。土臭い雰囲気なのに、カラッしているし、自分が好きなFleetFoxesとか、フォーキーだけどモダンなサウンドが日本でもついに、という感じです。


折坂悠太 - さびしさ (Official Music Video)

 

宇多田ヒカル『初恋』

アルバム全体にも増して、この曲ですね。
はじめ、主観的で体感的な「高鳴る胸が」「駆け出す足が」「伝う涙が」の総体としての"これが"「初恋」であると歌いつつも、敗れざるを得ない恋に「風に吹かれ震える梢が/陽の射す方へと伸びていくわ」と世界への視線を開き、救いを与えている歌詞の展開も鮮やかで見事なのですが、何よりもその予想外に伸び縮みする、宇多田さんのフロウでしょう。
サビの「うーるさーいほーどにーたかーなるーむねが」と、言葉の意味よりも、恋に焦がれる肉体の戦慄きそのものに近い歌が、やがてくっきりとピントが合うように「初恋と」に収まるとき、聞き手それぞれの記憶に潜んでいた身体の震えを呼び覚ますかのようです。"これが"「歌」なのかもしれない。


宇多田ヒカル 『初恋』(Short Version)

www.utadahikaru.jp

 

アイドルで、上で選んでいない、Applemusicにあるもの限定の、曲単位でよかったものも。(DOMDOMPATTYと3776さんが入れられなかった...)

 

 

 

 

ステージ

 

3776『3776を聴かない理由があるとすれば 再現ワンマン・ライブ <東京編>』

とんでもなかった。このライヴだけで一つ記事が書けるほどだったのですが、いつのまにやら年末に...ともかく、完全に今年のベスト1です。
満員のフロアに帯びていく熱の生々しさと、それを全く意に介さない井出さんの受け流し方まで、完璧なステージでした。

 

地点『忘れる日本人』

これ、Amazonとかで見られるんですよ。テキストレベルではよく分からないんですが、演出とそれを現実化する役者の方々の圧倒的な技術力に、演劇を観て久々に興奮しました。脱線的に行われる客上げから本線へ戻っていくとき、一瞬も弛緩することない空気の変わり方!!

 

・・・・・・・・・『Tokyo in Seasons "Last Days of Summer"』
8thワンマン前に行われたライヴでしたが、そこに向けて"仕上がって"いたからか、最初から最後まで異様なテンションで突っ走っていって、初見のときに得た感激をそのままに、あるいはそれ以上に感じられ、嬉しくなってしまった。

 

Maison book girl『CHAOTIC GIG 3』

はっきり苦手意識のあったバンドセットでしたが、これはもう、私の推しである矢川葵さんが訳のわからないほど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた日でした。おそらく、曲によっては踊りを抑制したバンドセットならではのスタイルに、なにかが見えてしまったのだと思う。"ただじっと身じろぎもせずうつむき加減に唄う"姿の強度といったら。それはそれでステージを観る経験です。ランクイン。文句ない。最高です。

 

中野ロープウェイ9周年祭@新宿LOFT

二日間あったイベント。今年最も楽しかったアイドルイベントです。ご贔屓が多く出ていたのはありますが、出演者の多様性と、それに応じてフロアも多様な反応を見せる豊かさ。クロージングにそれぞれ絵恋ちゃんとTAKENOKO▲が入っていた構成も良かった。

 

映画

映画は30本くらいしか見られてないので簡単に。

 

濱口竜介寝ても覚めても

クリント・イーストウッド15時17分、パリ行き

ホン・サンス『それから』

アニエス・ヴァルダ顔たち、ところどころ

三宅唱きみの鳥はうたえる

 

 

 

今年も「アイドル」の年でした。そもそも消費するどころかイベントまで作ってしまいましたしね。。 来年はどうなることでしょう。
最近また映画を見直してたり、地道に本を読み始めていたりするので、少し変わってくるかもしれないし、相変わらずアイドルさんたちに刺激を受けるのかもしれません。

活動予定 2019 - 2020

一般公開の活動予定です。詳細はリンクよりご確認ください。

予定は急遽変更・中止になることもございますので、ご了承ください。

 

ご依頼・お問い合わせはkeisukeyuki87@gmail.comまで

 

【1月】 

2日(祝木) 亀戸2020 スポーツ灯籠ライトアップ&お正月大道芸

4日(土) 光が丘公園 けやき広場 13:00~15:00

10日(金) 上野恩賜公園 五條天神前 13:00~15:00

12日(日) 代々木公園 原宿門前 12:00~14:00

13日(祝月) ヘブンアーティスト in 渋谷 ※空転軌道

18日(土) 上野恩賜公園 蛙噴水前 11:00~13:00

19日(日) 代々木公園 原宿門前 12:00~14:00

25日(土) 新宿子ども劇場「音と空間のジャグリング」※空転軌道

 

【12月】
2019 SENDAI 光のページェントは平日・日曜 17:30~22:00 金・土 17:30~23:00

6日~25日[勾当台公園いこいの広場 滝前]

26~31日[勾当台公園市民広場 グリーンハウス前]

 

1日 (日) まちくるパフォーマーズ仙台  Pスパーク前 11:00~17:30

7日 (土) 上野公園 五條天神前 13:00~15:00

13日(金) 2019 SENDAI 光のページェント

14日(土) まちくるパフォーマーズ仙台  Pスパーク前 11:00~17:30 2019 SENDAI 光のページェント

15日(日) 2019 SENDAI 光のページェント

19日(木) 2019 SENDAI 光のページェント

20日(金) 2019 SENDAI 光のページェント

22日(日) 2019 SENDAI 光のページェント

23日(月)2019 SENDAI 光のページェント

24日(火) 2019 SENDAI 光のページェント

26日(木) 2019 SENDAI 光のページェント

27日(金) 2019 SENDAI 光のページェント

28日(土) 2019 SENDAI 光のページェント

29日(日) 2019 SENDAI 光のページェント

 

【11月】

2日(土)創エネ あかりパーク2019 17:00 ※空転軌道

3日(日)代々木公園 原宿門前 12:00〜14:00

9日(土)西武池袋水盤前 13:00〜15:00

10日(日) 西武池袋水盤前 13:00〜15:00 ※会場都合によりキャンセルとなりました

16日(土) 担い手営農支援フェスタ2019in宮城 11:30

23日(土) 上野恩賜公園 すり鉢山 13:00~15:00

28日(木) 上野恩賜公園 五條天神前 12:00~14:00

30日(土) 第2回 せんだいキッズジャグリングフェスティバル ※主催

 

【10月】

3日(木) 上野恩賜公園 五條天神前 14:00~15:00

6日(日) 代々木公園 原宿門前 12:00~14:00

12日(土) ステモ超人パフォーマンス ※空転軌道

14日(祝月) 上野恩賜公園 噴水池前 13:00~15:00

19日(土) イクスピアリ ※空転軌道

20日(日) 亀戸大道芸2019 vol.8

25日(金) ヘブンアーティストTOKYO Bポイント12:30,Fポイント15:30

26-27日(土日) 集まれ!池袋みんなの大道芸 ※空転軌道

 

【9月】

1日(日) 上野恩賜公園 すり鉢山 14:00~16:00

7-8日(土日) 定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台 ※西公園にて随時

10日(火) 上野恩賜公園 五條天神前 12:00~14:00 ※キャンセルいたしました

13-15日(金土日) 仙台オクトーバーフェスト

16日(祝月) イクスピアリ ※空転軌道

20-23日(金土日祝月) 仙台オクトーバーフェスト

28日(土) イクスピアリ ※空転軌道

29日(日) まつもと街なか大道芸 ※空転軌道

 

【8月】

3日(土)

勾当台公園 円形広場 12:30〜14:30

第25回 港南町内会夏祭り 16:00~ 18:00~ 

4日(日) 

牡鹿鯨まつり 15:10~ ※みちのくサーカス (在仙パフォーマーのコラボショー)

6日(火)

まちくるパフォーマーズ 勾当台公園 つなぎ横丁

7-8日(水・木)

仙台壱弐参横丁 七夕まつり

7日 12:30,14:00

8日 13:00 

8-9日(木・金)

イツフェス

8日 18:20,20:20

9日 16:30

11日(日)

まちくるパフォーマーズ仙台 Pスパーク前

12日(祝月)

イクスピアリ ※空転軌道

17日(土)

イクスピアリ ※空転軌道

18日(日)

ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 12:00~14:00

19日(月)

ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 噴水池前 15:00~16:00

23日(金)

ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 すり鉢山 14:00~16:00

24-25日(土・日)

アートタウンつくば ※空転軌道

31日(土) ※時間変更

ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 13:00~15:00

 

【7月】

6日(土) イクスピアリ ※空転軌道

9日(火) ヘブンアーティスト 五條天神前 14:00~15:00

12日(金) ヘブンアーティスト 五條天神前 14:00~16:00 ※キャンセルいたしました

13日(土) かめいど勝運大道芸

14日(日) ヘブンアーティスト 小松宮像前 12:00~14:00※キャンセルいたしました

15日(祝月) イクスピアリ ※空転軌道

20-21日(土・日) マチニワ大道芸フェスティバル (八戸)

23日(火) ヘブンアーティスト 小松宮像前 14:00~16:00 ※キャンセルいたしました

27-28日(土・日) 「第五回 こどもの夢ひろば ボレロ」※ホゴノプロフィス/ソロ

同上 夏まつり仙台すずめ踊り (土) 12:30~13:30 (日) 11:00~13:30 ※会場内随時

 

【6月】 

2-3日(土・日) とおがった大道芸 

[2日]
17:00 神の湯前
18:30 えんそう前
20:00 たまや旅館前

[3日]
10:30 旅館 源兵衛前
12:30 リビングショップ おおみや前
14:00 はせがわ屋前

 

13日(木) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 五條天神前 11:00~13:00

15日(土) 食肉まつり 勾当台公園 10:35~10:50,11:15~11:30

16日(日) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 小松宮像前 12:00~14:00

22日(土) ヘブンアーティスト 舎人公園 北側噴水前 13:00~15:00 ※キャンセルいたしました

23日(日) イクスピアリ ※空転軌道

29日(土) ヘブンアーティスト 林試の森公園 サービスセンターテラス前 14:00~16:00※キャンセルいたしました

30日(日) ヘブンアーティスト 光が丘公園 12:00~14:00※キャンセルいたしました

 

【5月】

1日(水・祝)  ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 五條天神前 12:00~14:00

2日(木・祝)  ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 11:00~12:00

3日(金・祝)  ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 11:00~13:00

4,5日 とよはし大道芸 ※空転軌道

11,12日 ひたち国際大道芸 ※空転軌道

15日(水) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 小松宮像前 11:00~12:00

18日(土) ソラマチ大道芸 カウントダウンパフォーマンス 15:00 17:00

19日(日) ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 11:00~12:00

22日(水) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 五條天神前 14:00〜16:00

24~26日 韓国 釜山ダイナミックストリート ※空転軌道

 

【4月】

 27,28日 高円寺びっくり大道芸 ※空転軌道

 

【3月】

2日(土) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 五条天神前 13:00~15:00

3日(日) ヘブンアーティスト 代々木公園 噴水池前 12:00~14:00

6日(水) ヘブンアーティスト 上野公園 すり鉢山 14:00~16:00

7日(木)『牡蠣とお酒と石山さんとタゴマルさん』Ekituzi 20:30〜

8日(金)同上

14日(木) NHK文化センター ジャグリング入門

23日(土) Ekituzi イベント ※詳細後日更新

28日(木) NHK文化センター ジャグリング入門

30日(土) 北海道東北ジャグリング学生大会 ゲストパフォーマンス 仙台市シルバーセンター ※空転軌道

31日(日) ホゴノエキスポ ジャグリングコンベンション ※主催イベント

 

【2月】
9日(土) まちくるパフォーマーズ仙台 一番町四丁目商店街 Pスパーク前

14日(木) NHK文化センター ジャグリング入門 

21日(木) NHK文化センター ジャグリング入門

24日(日) 白石こじゅうろうキッズランド ※ホゴノプロフィス

 

【1月】

5日(土) アリオ仙台泉 新春イベント 12:00,15:00

6日(日) 同上

10日(木) NHK文化センター ジャグリング入門 

12日(土) 第十六回 さいたま新都心 大道芸フェスティバル 

13日(日) 同上

14日(月) ヘブンアーティスト 上野恩賜公園 五条天神前 12:00~14:00

24日(木) NHK文化センター ジャグリング入門

30日(水) 幸町児童館 15:00~16:00

せんだいキッズジャグリングフェスティバル、その後の考えごと

もう少し「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」の話を。こだわるようですが、それだけ私にとって重要な仕事になりつつあることを、日に日に意識させられております。そして、来年も開催に向けて子供たちと動き始めていて、みんな実に頼もしくやる気があって、これはひょっとすると...と期待しています。

 

 

今日は、前々回の更新にもう少し突っ込んだ話をします。子供たちを通して、自分も改めてジャグリングについて考えさせられています。

 



先日の発表の記録映像を、数人の知り合いに見てもらっていました。概ね肯定的な反応で安心していましたが、共通して「今後も続けて見てみたい」という感想が自然に出てきていて、それだけイベントのポテンシャルがあるのかなと感じていますし、素朴に嬉しい反応でした。また、子供たちの発表が面白いとするなら、一意専心して目標に向かう熱さや、キビキビと全員で演じきるのではない、ユルさからくる好ましさがあるという話になりまして、これが大きいポイントだなと。それはジャグリング(とうか私のジャグリング観)が持つユルさの側面の表れとも思います。

 


ジャグリングには、ミスがつきものです。練習していればうまくいくことよりうまくいかないことが多いは当然ですし、人に見せる段になっても、できるはずの事ができなかったり、かなりカジュアルにミスが近くにあります。それだけに、ジャグリングのパフォーマンスでは、うまくやってみせることに価値が生まれ、いかにしてミスしそうなことをミスせずにやるか、という線にパフォーマンスが回収されていくこともあります。良し悪しではないんですが、相対的なものでしかないにもかかわらず、なにかパフォーマンスの本質的なものにすら見えてしまうときもあり、そうなれば受け取りの幅を狭めます。ここで"ミス"は、"成功"を阻むものとして退けられるわけですが、しかし、ぽろぽろと道具を取りこぼしてしまうこともまた、ジャグリングの一部ではあるまいか、とも私なんかは思うわけでして。上手くやりたいし、ミスは減らしたいと思いつつも、まあ落とすし失敗するし、しょうがないよね、こんなもんでしょう、という気持ちも拭いがたくあります。道具が重力に従ってボトボト地面に落ちる間抜けさは、人を脱力させてしまいます。もちろん、そんな諦念を甘く受け取るばかりでなく、ミスというエラーを通過することで思いがけない発見があるのは、他のあらゆる出来事と共通していますし、そういう意味でも、頻繁かつカジュアルにミスというエラーに接触することに、ジャグリングの面白さのひとつがあるのでは、とすら思います。ジャグリングでパフォーマンスするにしたって、そんなふうにミスを受け入れてしまえば、ちょっと違うものが作れるのではないか、と。

 

 


Shoebox Tour America 2012 Video (trailer) Jay Gilligan Wes Peden Erik Nilsson

動画後半に見られる、ジャグリングのミス/成功という対立を別の形で乗り越えたアプローチである"道具の取りこぼし自体が予め取り込まれている"彼らのジャグリング。ボロボロと手から溢れていくボールやリングの姿は、妙に爽快かつ痛快。

 

 

 

以前タゴマル企画でお招きした・・・・・・・・・の楽曲担当メロンちゃんさんが、私のユニット『マヤマ』を評するのに、そもそもジャグリングは「身体性の緩い表現」と指摘されていたことがあり、それはまさしくそのとおりで、フィジカルな芸に見えて、その実ジャグリングは、先ほどのような事情から「"ミスしないこと"を成功する」という点において非常に観念的であったりもします。

 

 

指摘の通り、『マヤマ』の場合は音楽とジャグリングとが関係を結ぶことに焦点を合わせているので、そこに「身体がノって」しまうような"身体性" が表れるようにしていますが、子供たちの発表においては、子供たちの身体のユルさ、だらだらしたりぼんやりしていたかと思えば途端に溌溂としたりする、不安定さを固有の"身体性"として残していました。それは、そもそも彼ら彼女らの身体が "そういうもの"だからですし、その不安定さは当然ジャグリングの道具のコントロールにも及ぶわけで、ミスしたからといってまあ"そういうもの"と、大きな瑕にはならない(そりゃあミスだらけも困ったものですが)、パフォーマンスにしたつもりです。つまり、ミスは子供たちの身体性の一部として抱合され、観客はその身体が作るユルさのグルーヴに巻き込まれることを楽しむ、という塩梅です。そもそも子供が主体のパフォーマンスにおいて、私が一番避けたかったのは、観客席で「子供を見守る大人」という役割が固定してしまうことでした。舞台であるからには、パフォーマンスであるからには、観客の身体にも影響を及ぼしてほしいし、そうでなければ子供たちは半年もジャグリングのパフォーマンスを学んだ甲斐がないというものです。

 

 

このようにして、子供たちのジャグリングパフォーマンスが「ミス/成功」という軸から「道具の取りこぼしを含む不安定でユルい身体性」の軸へフォーカスを移すことで、ジャグリングの理解のみならず、"子供の発表会"としても枠を広げられるのではないかと考えました。それは観客がメタ的に、発表が成功するか否か(あるいは勝つか負けるか)の成り行きを見守るのではなく、子供のグルーヴにノってしまう場にすることへ向けられています。少なくとも、そんな場は日本になかなか少ないと言えるでしょう。だからこそ、続ける価値があります。

 

 

 

 

 

 

 

ここからは余談。

 

途中で・・・・・・・・・の話が出てきましたが、実はこれも無関係ではないのでして、とある友人は、子供たちのパフォーマンスが、私の一連のアイドル文化への接近の影響が見えると指摘しました。私自身も頷けるもので、要するに形式的な完成度や技巧の巧拙ではない部分でパフォーマンスを見る見方が反映されているということです。

 

同時にそれは諸刃の剣でもあって、私自身アイドルの「未成熟さ」を逆手に取って称揚する言説に微妙な違和感を持っているからなのですが、そもそもなにか「成熟」した形が設定されていて、アイドルがそれに対するアンチとして面白さが成立しているジャンルとするなら、非常に貧しい感じがするのです。もっと単純に、パフォーマンスは万人に開かれていて、それぞれが固有のニュアンスを持っており、そのニュアンスをパフォーマンスとしてどう組織するかという話だと思うのです。私で言うなら、子供は身体を統御できないから、ふらふらしてしまう"それだけのこと"にフォーカスしてみるのであって、ふらふらしてしまうことに例えば"あどけなさ"を読み込んで価値化しているわけではない。実際の動きが作る実際のリズムやグルーヴがあるのみ、ではないでしょうか。アイドルもまた、彼女らが作る固有のリズムやグルーヴにおいて、稀有な表現を見せる時がある。というだけ。ある表現の典型から逸脱しているが、その逸脱のみではなく、そもそもアイドル自身が切り拓いている表現の領域があると、ひとまず乗っかってしまうことで、自分はずいぶん楽しませてもらっています。

 

端的に、自分の身体を噛ませずメタっぽくアイドルを"面白がってる"ようなスタンスに見られるのは本意でないし、実際見ないと、あるいは実際見たとしてもすんなりと納得の行くような文化ではないとも思いますが、子供たちへの振付に、その文化を享受した結果が、ようやくフィードバックでき始めたのかもしれないのです。もしかしたら、私はこの予感にこだわっているのかもしれません。

 

12月の予定 ※12月19日追記

寒い!予定です!

 

9日 バラライカ 応援団忘年会

13日 NHKカルチャー 

21日 光のページェント大道芸

23日 光のページェント大道芸

26日 光のページェント大道芸

27日 NHKカルチャー

28日 光のページェント大道芸

29日 光のページェント大道芸

 

毎年恒例の光のページェント大道芸は、予定に追加・変更がありますので、随時更新します。

 

平日はまだ余裕がありますので、忘年会等々にもお招きいただけると嬉しいです!

 

お問い合わせ : keisukeyuki87@gmail.com

 

 

 

お遊びでこんなのはじめました。

iTunesのプレイリスト共有機能は前からちょっと気になっていたのですが、自分が1〜2ヶ月くらいの間にライブラリへ追加した曲を新旧問わずまとめる、だけです。偶然並びあった音楽を脈絡なく突っ込んでみるのも面白いかなと。編集の遊びが好きなので。

とはいえ、実は並ばせてみると偶然がちょっとした関係を結び合ったりして。「Attension」に客演してるCampanellaには、次のトラック「紙飛行機」にサンプリングされてる「色彩のブルース」を歌うEGO-WRAPPIN'の中納と共演した「PELNOD」があったり、「影の電車」から、ブクガおなじみの主題である「ドア」に繋げたり。


リストのタイトル"L'Amour en fuite"はトリュフォーの映画「逃げ去る恋」の原題で、単に最近見直しただけです。まあ、偏りはかなり生まれますが、BGMにもできるかと思います。

これもたまに更新しまーす。

せんだいキッズジャグリングフェスティバル終了!

ホゴノプロフィスによる、日産スマイルサポート基金2018年度事業の総まとめ「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」が無事終了!
いやー、いつもながら自分が出ないイベントのほうが、緊張したり焦ったりするものですね。 

 

半年に渡って、市内3ヶ施設の子供たちと練習を積んできたわけですが、お互い手を抜くことなどなく、本番を終えられたと思います。それぞれにミスがなかったわけではないですが、やれることをやったという感触は、みんなの手に残ったのではないかなと思います。そのうえで残るやり足りない気持ちで、次の何かを産めばよいと。これは子供たちに向けてというより、自分自身にも重ねて言っていることではあります。

 

今回はじめて、こんなにも長く「子供」と接してきたわけですが、彼ら彼女らは、これから覚えることがたくさんあるとはいえ、すでに社会の成員という感じでして、常識もあれば分別もあるという意味で、そんなに大人と変わらないのです。変わらない、というのは言いすぎかもしれませんけれども、特別な存在ではありません。ちょっと時間を守れなかったり、他人のことや先のことが考えられなかったりするくらいで(彼ら彼女らが自分や職員の先生から最も怒られたトピックです笑 こんな大人も全然いますね)、ほんとうに"人間"という感じです。


なので、ステージに立つときも大人と同じで、しばしば照れがあったり、やらずに済まそうとしたり、ほどほどにこなそうとする判断も働いてしまいます。パフォーマンスには、普段ほぼ必要としない力を使うので、スイッチを切り替えないといけないわけです。そもそも、切り替えるスイッチがあることを見つけなければならない。そのうえで、技術として様々なことを覚えていく。今回は子供たちが主役とはいえ、大人でも同じようなプロセスを辿ったことでしょう。普段の生活の場から半歩横にはみ出したところでパフォーマンスは成立するし、またそれが自由で楽しいものだと、ちょっとでも"うまみ"が感じられていたらよいなと思いつつ、一緒に作業していました。

そして今回、単なる発表会でなく「フェスティバル」として企画したのは、子供たちがジャグリングを介して、別のコミュニティに属する人たち、長くジャグリングのコミュニティに属する人たちと出会う場を作りたいという狙いがあったからです。これはもう、私が小学生のとき、ヨーヨーを介して様々な人達に出会った面白さが根っこにあるからでしょう。あんまり面白かったので、軌道が逸れ過ぎて現在に至ったわけですが、複数のコミュニティを飛びかえる身軽さは、誰しもがもっておくべき自由さである気がします。

 

 

f:id:keisukeyuki:20181127084832j:plain

 

少し視点を変えてジャグリングの話を。
今回子供たちと作業して、最も試したかったのは、「スキルフルではないジャグリングの面白さ」です。ジャグリングは、とにかく難しい。難しいからこそ面白い、という視点を、少しだけズラしてみること。
もちろん子供たちが今回発表した技は、大人であれば簡単にできる、などというものではありません。時間をとって取り組んだからこそできるものです。ですが、プロ級かといえばもちろんそうでもない。セミプロですらありません。にも関わらず、普通のお客さんが、楽しんで見ることはできる、そういうものを目指しました。

 

ジャグリングは、難しいこと、取り組む人が少ないことによって、その価値が底上げされている面もあります。逆に言えば、ジャグリングは全て難しいし、難しいことをやるものだ、と短絡してしまうこともあります。
私はヨーヨーから数えれば20年この分野に親しんでいますが、やる側としても見る側としても、難しいかどうかはさておいて、とても楽しいと感じるジャグリング・ジャグリングのパフォーマンスを、いくつも経験してきました。そしてそのことが、私を20年同じ場所にとどまらせている理由にもなっています。難しいことに取り組む"だけ"では、あるいは、別の難しさに気づくことがなければ、ここまで関心が持続しなかったことでしょう。固くなりますが、言い換えれば、物理的なコントロールの困難さと同時に、コントロールされた運動を知覚することの複雑さを知ったからこそ、試すべきことが現れたと言っていいでしょう。子供たちの発表にも、様々な意味での難しさを盛り込んだつもりです。それが、少しでもイベントを、彼ら彼女らの半年を豊かにしていればと思います。

 

 

さて、この「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」、来年の開催の見通しが立っておりません。開催前は、一度きりで終わるのは残念だなあと考える程度でしたが、イベントのあと、記録映像で子供たちの発表を見ていると、これはどうにも終わらせてはならんぞという気持ちになってきました。可能なのかどうか、まだまだわかりませんが、どうにかこれを続けたいという強い気持ちになっております。開催に向けては、多くの方の手助けをお借りすると思います。どうぞよろしくお願いします。

 

 来年また、イベントのお知らせができることを願いつつ、まずは次の仕事の準備にかかります!

11月の予定

風邪を引いています。今月の予定です。

 

 

3日 青葉区民まつり ※ホゴノプロフィスブースでジャグリング体験会

10日 あつぎ国際大道芸 ※空転軌道

11日 同上

23日 こじゅうろうキッズランド 11:00,14:00 ※ホゴノプロフィス

24日 せんだいキッズジャグリングフェスティバル

 

今年おそらく最後の空転軌道でのパフォーマンスもありますが、やはり今年最後の企画である24日の「せんだいキッズジャグリングフェスティバル」が大きな催しでしょうか。

 

f:id:keisukeyuki:20181103004624j:plain


今年度の日産スマイルサポート基金事業総決算であるこのイベント、子供たちのステージ発表と、一般参加者も楽しめるジャグリング体験会に、ゲストパフォーマーとしてミックスナッツさんと渡邉隼人さんの二組をお招きしています。入場無料で大人も楽しめるイベントにするつもりでおります。ぜひお越しください。子供たちの発表は、私の振付・演出で行います。合わせてお楽しみいただければ。